多汗症治療

多汗症治療

明らかな原因疾患なく起こる多汗症を原発性多汗症と言い、
原発性多汗症にはいろいろな治療方法があります。

多汗症とは

多汗症

発汗は、体温調節を行うために起こる大切な仕組みです。体温が上がると汗が出て、汗の気化熱で体温を下げます。

一方で精神的な緊張や、ストレスも原因となります。
多汗症とは、暑さや精神的緊張により多量の汗が出て日常生活に支障をきたす状態のことを言います。

明らかな原因疾患なく起こる多汗症を原発性多汗症と言い、原発性多汗症にはいろいろな治療方法があります。

多汗症治療

多汗症治療の治療方法について

  1. 外用:10% ホルマリン、20~50% 塩化アルミニウム、エクロック®ゲル
  2. 内服:抗コリン剤、自律神経調整薬
  3. イオントフォレーシス
  4. 皮下注射:ボツリヌス菌毒素
  5. 手術:交感神経遮断術

原発性腋窩多汗症

原発性重症腋窩多汗症の診断基準

以下6項目中2項目以上にあてはまる

  • 最初に症状がでるのが25歳以下であること
  • 左右両方に同じように発汗がみられること
  • 睡眠中は発汗が止まっていること
  • 1週間に1回以上多汗の症状がでること
  • 家族にも同疾患の患者さんがいること
  • わき汗によって日常生活に支障を来すこと

診察の流れ

  1. 診察の予約時に、「脇汗の相談」と伝えてください。
  2. 受付時にチェックリストを記入
  3. ヨードデンプン法で発汗の程度を検査します。
  4. 重症原発性腋下多汗症と診断を受けた方は、ボトックス治療の説明を受けます。
  5. 治療の日時を受付にて決めます。

ヨードデンプン法(定量的測定方法)

ヨード液を塗布後、乾燥させてからでんぷんを振りかけます。発汗部位は黒紫色になるため、その範囲を計測して重症度および治療効果の判定に用います。
汗滴に一致して濃紫色の点が現れ、汗量が多いほど着色点は大きくなります。

ほぼ陰性
弱陽性
中等度
重度

治療法

外用療法(保険適応)

エクロック®ゲル5%は、2020年9月に承認された保険処方のできる日本初の原発性腋窩多汗症の外用薬です。
ソフビロニウム臭化物が交感神経から出るアセチルコリンのエクリン汗腺への刺激を阻害することで汗の分泌を抑えます。

皮下注射(保険適応)

ここで紹介するのはボツリヌストキシンの腋下への皮下注射です。2015年に「重度の原発性腋下多汗症」に対して保険が適応されました。

原発性とは原因疾患がないということです。温熱や精神的負荷の有無に関わらず、日常生活に支障をきたす程の大量の発汗を生じる状態を原発性多汗症と言い、腋窩に対してのみの適応が認められました。

遺伝的な背景もあると言われていますが、本邦の原発性腋窩多汗症の発症年齢は19.5才、有病率は5.8%という非常に高い割合です。社会的な活動範囲が広く、生産性のある年代の罹患率が非常に高く、このことによって恥ずかしいといったような精神的な苦痛を受け、不安症や、対人恐怖症をきたす人も多いと言われています。

この治療の目的は治療により多汗の悩みから開放され、精神的、物理的な負担から開放されQOL(生活の質)が改善することを目的としています。

ボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌストキシンというタンパク質を有効成分とする薬を使用します。この薬を汗の出る部位に皮下注射をすると、交感神経からアセチルコリンの分泌抑制汗腺からの汗の分泌を抑えることができます。片方の脇に通常15から20箇所に注射を打ちます。

  • ※原発性でないもの、すなわち続発性とは何らかの原因があることを言います。この場合はボトックス治療の対象にはなりません。結核などの感染症、内分泌代謝異常(甲状腺機能亢進症,褐色細胞腫など)、神経疾患(大脳皮質の障害、脳梗塞、脊髄損傷による自律神経障害)や薬剤性、などがあります。